煮しまった Faded…

とあるローカル線の駅舎の外に、テーブルクロスをかけた丸テーブルと両サイドに折りたたみの木の椅子が置いてある。駅舎を飾っているのでしょう。テーブルに掛けられた布は色あせ煮しまっている。その上に洗面用のお湯を入れるアンチーク風の大きな水差しがおいてある。椅子は古びた椅子で、薄く若草色が塗ってあるが、そのあせ具合がテーブルクロスと同じなのだ。椅子とテーブルを置いた人は、自分の人生が置いてある椅子とテーブルと同じように褪せているのにきずいていないのかもしれない。堂々と自分の人生はもう色褪せてしまっているのだよというのを人に見せている。少なくとも私にはそう見える。そう見えるのは私自身も年をとって色あせているように思うからかもしれない。最近自分と重ね合わせて物事を見ることが多いようだ。